矯正治療

当院の矯正について

矯正治療とは

悪い歯並びや咬み合わせを正し、きちんと咬めるようにして、きれいな歯並びにする歯科治療のことを矯正治療といいます。矯正装置を用いて歯や顎の骨に力をかけ、ゆっくりと動かして治していきます。

矯正装置には現在さまざまな種類があり、患者さんのご要望とライフスタイルに合わせて、適切な治療方法をご提案いたします。

矯正治療の手順

1初診(一次検査と合わせて約1時間)

初診では、患者さんのもっとも気になるお悩みと治療に対するご要望をお伺いします。そして、お口の中の診査と簡単な咬み合わせの検査をし、矯正治療ができる状態かを判断します。その上で、治療開始前の検査と診断までの流れ、治療費の概算についてもご説明します。

2検査

[一次検査](30分)レントゲン1枚と顔・お口の中の写真を撮影します。
[二次検査](1~2時間)歯型の採取や機能検査などの精密検査を行います。
※年齢によって所要時間は異なります。
※ご希望により初診時に一次検査を行うことも可能です。その場合、日を改めて二次検査を行います。

3診断(1時間)

二次検査の約2週間後に診断を行い、治療方針と矯正基本料金が決まります。ここで十分に納得していただければ、治療を開始することになります。

4治療開始

いよいよ治療開始です。矯正装置を装着し、歯の移動が始まります。順調に治療を進めるためには、毎月の来院と、普段の口の中のお手入れ(ブラッシング)が必要です。

5治療完了

お疲れ様でした。待望の治療完了です。(治療期間は個人に異なります)でも治療はまだ、完全には終わっていません。きれいになった歯並びが安定するまで、さらに保定装置を使って保定をする必要があります。

6保定開始

保定は少なくとも2~3年、歯並びの安定と親知らずの歯並びへの影響を観察します。保定期間になると来院は毎月ではありません。

7定期検査

当院では、保定後咬み合わせを中心に定期チェックを行います。虫歯や歯周病、その他の歯科治療に関しては、専門病院にご紹介しております。

矯正治療の抜歯について

矯正治療では抜歯が必要な場合があります。当院では、できるだけ抜歯をせず治療していく方法を考えますが、抜歯をしたほうがよりよい咬み合わせや歯並びが得られると予想された場合、患者さんに十分な説明を行った上で抜歯します。

すべての歯が並ぶスペースがない場合に歯並びは乱れます。歯を抜いて本数を減らすことで、きれいに歯を並べるスペースを確保できるのです。院長も小臼歯を4本抜歯して矯正を完了し、今も美しい歯並びを保っています。

歯の並びを側方や前方へ拡張したり、または歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療により、抜歯を避けることができる場合もあります。特に成長期には、顎の成長を促し、顎の幅を長くすることにより抜歯を避けられるケースもあります。しかし、抜歯をせずに治療したことで、口元が突出したり、治療後に元の歯並びに戻りやすくなることもあるため、どうしても歯を抜きたくない場合は医師とよく話し合うことが必要です。

矯正治療の種類について

マルチブラケット矯正

もっとも一般的な矯正方法がこのマルチブラケット装置です。1本1本の歯に、人体に害のない歯科専用の接着剤でブラケットを装着し、ブラケットに通したワイヤーの力で歯を少しずつ動かしていきます。

マルチブラケット装置の種類

金属(メタル)

一番基本的な材質です。欠けたりしにくく丈夫です。

ゴールド(イオンコーティング)

金属アレルギーのある方向けの装置です。

セラミック

白く目立ちにくいというメリットがあります。目立たない白いワイヤーを併用することも可能です。

マルチブラケット矯正のメリット・デメリット

メリット

  • 多くの症例に対応可能
  • ベーシックな装置のため、リーズナブル(表側矯正の場合)
  • 装置が壊れにくい
  • 摩耗が少ないブラケット、白や透明なブラケット、歯の裏側に装着するブラケットなど目立たない装置を選択することができる

デメリット

  • 表側矯正かつ金属ブラケットの場合、目立ちやすい
  • 表側矯正の場合、慣れるまで発音しにくい
  • ワイヤーやブラケットの隙間に汚れが溜まりやすく、虫歯や歯肉炎のリスクがある

舌側矯正

一般的な矯正のように歯の表側ではなく、歯の裏側に矯正装置を着ける矯正法です。見た目には装置を着けていることがほとんどわかりません。

舌側矯正のメリット・デメリット

メリット

  • 歯の舌側(歯の裏側)に装置をつけるため、審美性に優れている
  • 歯の裏側に矯正装置を装着するため、外から強い衝撃を受けたり、ぶつかっても安全性は高い
  • むし歯になりにくい

デメリット

  • 歯の裏側に矯正装置を装着することで違和感を覚える場合がある
  • 発音がしづらくなる

マウスピース型矯正装置

ブラケットとワイヤーではなく、マウスピース型装置を患者さんご自身で装着し、定期的に交換していただくことで歯を動かしていきます。

マウスピース型矯正装置のメリット・デメリット

メリット

  • 透明のマウスピースなので周囲に気づかれにくい
  • 自分で取り外しができる
  • 素材が薄いため装着中の違和感が少ない
  • 定期的に新しいマウスピースに交換するため衛生的
  • 取り外して歯を磨けるためケアがラク

デメリット

  • 1日22時間以上、自分自身で装着している必要がある
  • 装着時間などの管理が患者さんに委ねられる
  • 装置を付けたまま食事が出来ない
  • 症状により適用できない場合がある

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療

歯ぐきの骨に埋入した歯科矯正用アンカースクリューを支点にして、歯を動かしていく矯正法です。アンカースクリューは矯正治療のためだけに用いるものであり、治療が終了したら抜いてしまいます。したがって歯科用インプラントとは全く別のものです。

歯科矯正用アンカースクリュー矯正のメリット・デメリット

メリット

  • これ以上抜歯ができない再治療でも治療が可能
  • ガミースマイルの改善にも有効
  • 顎外固定装置などを使用しなくても良い

デメリット

  • 簡単な外科処理が必要となる
  • 歯科矯正要アンカースクリューの周りで炎症を引き起こす可能性がある
  • 歯科矯正用アンカースクリューを再埋入しなければならない場合もある

矯正医院選びのポイント

1.検査・診断をしっかり行っていること

適切な検査のもとに正しい診断を行わなければ、矯正治療はうまくいきません。矯正は長い期間がかかるものですから、治療開始前だけでなく、治療途中でも適宜検査を行い、治療経過の説明を丁寧に行う医院がよい医院といえます。

2.診断の根拠について、納得のいく説明をしてくれること

患者さんの検査データを元に矯正治療の計画を立てていきます。
当然ながら矯正治療は、オーダーメイドの治療になりますので抜歯矯正とするか非抜歯矯正とするかは人によって異なります。
抜歯矯正をするには理由があります。その根拠をしっかり説明してもらうようにしましょう。

3.矯正を専門とし、日本矯正歯科学会の認定医であること

矯正治療を専門に行っている医院は、一般歯科よりも圧倒的に多くの症例を診ています。また矯正治療に関し、適切・十分な学識と経験を有する歯科医師が学会の認定医として認められます。

3.保定管理をきちんと行っていること

きれいに整った歯並びを維持するためには、矯正装置を撤去した後の保定期間が重要です。当院の院長は矯正医である父に、「保定装置は眼鏡と同じだから一生付き合うように」と言われ、10年間ほど保定装置を装着していました。おかげで今も患者さんにお見せできる歯並びを維持できています。

4.進学や転勤に対応していること

矯正歯科の治療費は決して安くない上に前金制で行われるため、転勤・進学等で転居する場合、未治療分の返金が可能かどうかは治療開始前に確認しておきましょう。日本臨床矯正歯科医会の会員であれば、同医会の矯正専門歯科医院を紹介するネットワークがあるため安心です。

歯科Q&A

診療システム

Q

初めての相談は、どのように行われるのですか?

A

当院では初診時に、一次検査もお願いしております。それにより、現在の状態の全体像を把握し治療の7,8割の概要(治療期間・治療費・治療方針等)をお伝えします。
その上で、治療をご希望であれば、治療開始前の検査と診断までの流れをご説明します。
所要時間はカウンセリングのみの場合、約30分、一次検査まで行った場合は約1時間です。

Q

どのくらいの間隔で通えばいいのですか?

A

月に約1回程度の通院となります。
矯正装置を着けるまでは月に2回程度お越しいただくことがありますが、装置を着けた後は、月に約1回の間隔で通院していただきます。
当院では土日の診療も行っておりますので、お仕事や学校の関係で平日に来院できない患者さんも、通院は可能かと思います。

Q

治療期間はどのくらいかかるのですか?

A

一般的に成人で平均2~3年、成長期では1期、2期治療含めると長くかかります。
治療前の歯並びの状態によっては、もっと長くかかる場合もありますし、もっと短くて済む場合もあります。
当院では、初診時に治療方法や期間についての概要をお答えしていますが、より正確な治療方法と期間の見通しには、十分な検査が必要となります。

Q

他県あるいは海外で矯正治療を始めた場合、その続きを診てもらえますか。また、将来、県外や海外へ転居する場合は、どうですか?

A

いずれも基本的には可能です。
受け入れの場合、これまでの経緯がわかる資料があれば、スムーズな転医が可能となります。前に通っていた医療機関から、治療計画や経過を書いた書類をもらうことが大切です。
こちらから転医される場合、すでに治療費を全額払っていれば、治療の進行に合わせて一部が返金される場合があります。その後、新しい医院で再検査をして継続分の治療費を見積り、新たな契約を結ぶという流れが一般的です。
また、海外からの受け入れ、あるいは海外への転医についても一部対応可能です。

Q

病院で肝炎などに感染することがあると聞いたのですが、感染対策はどうしていますか?

A

当院では、院内の感染防止対策として「感染対策マニュアル」を作成し、これに従って日常の衛生管理を行っています。
滅菌・消毒は器具の種類によって乾熱滅菌器、高圧蒸気滅菌器、ホルマリンガス滅菌器を使い分けています。
また、スタッフも毎年、肝炎の検査を受けて、健康管理に留意しています。

治療内容

Q

上の歯だけの矯正はできるのですか?

A

上の歯並びを矯正するだけで下の治療が必要ないケースもあります。
ただし、そのようなケースはまれで、一般的には、上の歯並びが悪い方は下の歯並びにも何らかの問題があることが多く、その場合は、下の歯並びも治療をしないと上下の歯がうまく咬み合いません。
実際に口の中を拝見し、また、患者さんの希望を伺った上で、どのような治療を行うのが一番よいかを検討させていただきます。

Q

虫歯の歯は矯正できますか?

A

虫歯の治療を先にお願いしています。
当院では、矯正治療前に検査を行い、治療する歯の状態を調べ、虫歯や歯周病で治療が必要な場合は、矯正治療を開始する前にそちらの治療を済ませていただくことにしています。
基本的には、神経を取った歯も矯正治療をすることができます。ただし、完全に治療が終わって、歯の中と歯の周りが正常な状態に戻っていることが条件となります。差し歯であっても、その状態がまだ完全ではない場合には、矯正治療前にもう一度治療が必要かもしれません。
例えば虫歯で歯を抜いた後でも残った歯を動かしてきれいに歯を並べることができる可能性は十分あります。また、前歯など代わりとなる歯がどうしてもない場合は、矯正治療後に仮歯を入れることもできます。

Q

「すきっ歯」は治せますか?

A

治せます。
「すきっ歯」は矯正歯科ではよく行われる治療の一つです。「すきっ歯」の位置やその程度によって、矯正装置の設計や治療期間がかなり違ってきます。
小さなお子さんの「すきっ歯」には治療が必要ないケースがほとんどです。気になる方は、ぜひ一度当院へお越しの上、ご相談ください。

Q

親知らずによって咬み合わせが悪くなっているから矯正したほうがいいと言われたのですが。

A

一度検査をおすすめします。
一般的に、親知らずは10代後半から20代に萌出しますが、顎の小さな日本人の場合、顎の一番後ろに萌出するスペースが無く、そのため無理矢理に萌出しようとして前の方の歯を押して歯並びを悪化させるともいわれています。
また、正しく生えるだけのスペースがない場合、親知らずが横向きに萌出することもあります。このように、親知らずが正常に生えることができない場合や、親知らずによって歯並びが悪くなっている可能性がある場合は、抜歯をしなければならないこともあります。
いずれにしても、放置することで歯並びが悪化する可能性がありますので、一度、検査を受けてみることをおすすめします。

Q

40歳以上でも、治療は可能ですか?

A

矯正治療は年齢に関係なく行うことができます。
20歳以下であれば、歯の動きが早いという理由で、20歳以下の時期が矯正を行うのにもっとも適した時期ということができます。しかし、成長が止まった成人であっても、歯を動かすことは、歯と歯ぐきが健康であれば問題はありません。したがって、40歳を過ぎた方でも矯正治療を行うことができます。
当院では、40~50代以上の患者さんも治療されていますので、遠慮なくご相談ください。成人で会社にお勤めの方は、通院が難しいのではと思われるかもしれませんが、当院では土日にも診療日を設けています。仕事を休むことなく治療を続けることができますので、ぜひ一度ご相談にお越しください。

Q

顎の関節がおかしいのですが?

A

顎関節症の疑いがあります。一度、歯科医院で診てもらいましょう。
顎に違和感があって咬み合わせが不安定になり、痛みも伴うようであれば、顎関節症かもしれません。
顎関節症の原因は必ずしも咬み合わせだけではありませんが、咬み合わせが原因で顎関節に悪い影響が出ているようであれば、矯正により歯並びをよくすることはその原因を除く意味で意義があることだと思われます。当院では顎の関節を検査する機器も揃えておりますので、一度検査をお受けになることをおすすめします。
検査の結果、必要に応じて、連携の口腔外科をご紹介いたします。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間〜1、2週間で慣れることが多いです。
  • 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  • あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

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